精神保健福祉士の資格取得の方法
精神保健福祉士は、日本三大福祉国家資格の一つで、主に精神面に障害がある人を対象にしたケアをしていくための専門職として位置づけられています。
近い資格として介護福祉士や社会福祉士があります。
違いは、介護福祉士が実際に現場での介護の専門職、社会福祉士が地域や施設で行う福祉の専門職であるのに対し、精神保健福祉士は精神面の障害により社会生活を送れなくなってしまった人のための福祉を担当する点です。
精神保健福祉士は国家資格ですが、排他的業務ができるというわけではなく、資格は技能を示すためのものとなっています。
しかし実際には介護・福祉分野における精神保健福祉士の資格は非常に知名度や需要が高く、多くの場所で活躍をしていくことができるでしょう。
資格を取得するためには、まず受験資格として一定の学歴を修了する必要があります。
具体的には保健福祉系の4年制大学で指定科目を修了して卒業するということなどで、他に短大や専門学校での養成課程で受験資格を得ることも可能です。
学歴要件を充足したら、年に一回の国家試験を受験することとなっており、4年制の大学生は卒業見込み年度から受験可能です。
試験の合格率は約62%となっていて、決して高いわけではないですが低すぎるわけでもないので、在学中からしっかり真面目に勉強をしておかないと合格は難しいでしょう。
仕事内容
精神保健福祉士の主な職場となるのは、病院の精神科や心療内科のクリニックといった医療機関がまず挙げられます。
こうした医療機関では、精神面に不調を感じる患者さんが訪れるので、医師の指導のもとで治療をしていきつつ、社会生活に復帰できるような支援をしていくことが必要です。
その他にも相談支援事業所やグループホームといった介護の現場であったり、精神保健福祉センターといった専門の機関に勤務をする場合もあります。
ただ、精神保健福祉士の業務分野はかなり限定的となってしまうことから、実際には精神だけでなく身体面の障害に対応する福祉の仕事も多く行うようになっています。
キャリアアップを目指すのであれば、ダブルライセンスなどで専門性をもたせるようにすることがよい方法です。
精神保健福祉士の役割
現代はこころの時代と言われているように、精神面に問題を持つ人が非常に多く存在しています。
特に高齢者施設においては認知症という非常に重要な精神疾患の発症率が高くなっていることから、その実態をつかみ、適切な支援をしていく体制が大切です。
高齢者だけでなく、仕事でのストレスや子育てなどの悩みが原因でうつ病・うつ症状になってしまう人も年々増加しており、そうした人が元通りの生活を送れるようにサポートをしていく人材の需要はかなり高まっています。
今後も将来的に精神保健福祉士の役割は大きくなっていくでしょう。