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社会福祉主事の資格取得

社会福祉主事任用資格取得の方法

社会福祉主事は、社会福祉法第18条と第19条で定められている任用資格です。

「任用資格」というのは、公務員が法で定められる特定の業務に就業するときに必要となる資格を指します。
わかりやすく言うと、社会福祉主事という資格を取得するための条件を揃えただけでは資格者となることはできず、その資格要件を持った人が特定の業務に就くことになったときに、初めて効力を持つようになるということです。

ですので「社会福祉主事」となる勉強をすることは誰にもできますが、実際にそれを名乗って仕事をしていく時には公務員として一定の業務に就くことが必要条件となるのです。

社会福祉主事の資格を得るにはいくつかのルートがありますが、一般的には大学などで社会福祉に関する科目を3科目以上修了して卒業した者とされています(社会福祉法第19条1号)。
その他にも全社協中央福祉学院社会福祉主事資格認定の通信課程もしくは日本社会事業大学通信教育科で1年の通信課程を受けた人なども同様に資格が得られます。

いくつかのルートがあるものの、いずれも難易度の高い国家試験を受験する必要がなく、学校もしくは通信教育で必要な講座を受ければ取得ができるようになっているので、取得難易度はそれほど高くありません。
ただし繰り返しになりますが社会福祉主事は特定の職務に就かない場合は資格として機能しないため、就職の時には注意をしてください。

仕事内容

社会福祉主事とよく似た資格として社会福祉士があります。

社会福祉士は国家資格として多くの介護・福祉の施設で勤務をすることができますが、社会福祉主事は福祉事務所の現業員として任用される場合に限定されるという違いがあります。
ただし社会福祉主事として勤務をする場合の業務内容は、福祉を必要としている人たちへの家庭訪問や面談、生活指導といったことになるので、社会福祉士のケースワーカー業務とかなり近い位置です。

資格としての歴史では社会福祉主事はかなり昔から存在しており、もともとは行政機関における福祉担当部署や福祉事務所の公務員が専門的な相談を受けるときのために用意された技能資格と位置づけられていました。

社会福祉主事の役割

社会福祉主事の社会的な役割は、福祉を必要としている人に対して生活面から支援の手を差し伸べることです。

公務員として社会福祉主事の配属がされる場所としては、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイサービス、ショートステイといった介護関連の施設が中心になるでしょう。
他にも障害者施設である身体障害者療護施設や救護施設、更生施設といったところに配属されることが多く、幅広く支援を求める人からの話を聞く役割を担います。

社会福祉主事としての能力は、むしろそうした経験値を積むことで培われると言えます。