浴槽とシャワーと洗面台

入浴介助とは

清潔に保つ意義

日常生活で行う介護活動として、特に注意が必要なことの一つが入浴介助です。

まず知っておいてもらいたいのが、高齢者による入浴中の死亡事故というのは多く、入浴中に意識障害に陥ることにより溺死ををしてしまうケースが非常によく見られます。
年間に入浴中急死をしてしまう人数は交通事故死よりも多いとされていますので、入浴介助をするときには十分に注意をしてあげる必要があるのです。

入浴中に急死をする事例としては、心肺停止や脳血管障害、一過性意識障害、溺水といったものがあります。
しかし危険だからといって入浴を長くしないでいると、体の衛生面に問題が生じてしまい、感染症などの危険が発生してしまうでしょう。

高齢者は体全体の免疫力が低くなっていることから、非常に感染症にかかりやすくなっています。
肌が不衛生な状態になっていると炎症が起こるのですが、数日入浴をしないでいる高齢者にはそうした皮膚炎が多く見られるのです。

入浴をすることは体を衛生に保つことができるだけでなく、心理的にリラックス効果を得ることができるというメリットがありますので、介助は決して楽ではありませんが、できるだけ頻繁に体を洗ってあげるように心がけましょう。
どうしても自宅の入浴施設では介助ができにくいという場合は、巡回入浴車を使って入浴をしてもらうこともできますので、最寄りの福祉窓口やケアマネジャーに相談をしてみてください。

入浴介助の方法、コツ

入浴介助をするときにまず重要になるのが浴室内の準備です。

特に古い日本住宅では浴室に大きな段差があることが多く、うまく体を入れられないことがよくあります。
そこで高齢者のための入浴ケアとして、段差をなくすスロープや手すりを設置するとともに、座った姿勢のままで体を洗える椅子を用意するなど準備をしておきましょう。

浴室内の床は滑りやすく転倒事故も多く起こっていることから、浴室マットなど滑りにくくする設備も整えてください。
高齢者でも自分で立ったり座ったりすることができるなら、介助者が体を支えて浴槽に入れてあげたり、体を洗ってあげたりといったことができます。

歩行が困難になってしまった場合は機械で昇降をすることができる「特殊浴槽」を使うことで負担なく入浴をしていけるでしょう。

入浴前の注意点として、冬場など気温が低い時期は脱衣所をあらかじめ暖めておき、急な温度差が体にかからないようにします。
事前に脈拍をとってバイタルサインを確認しておくことも重要です。
入浴前に排泄は済ませておき、必要に応じて脱衣所に替えのおむつを用意しておきましょう。

手順としてはまず最初に浴室に入ったら軽く体を流し、お湯の温度に体を慣らします。
全身にシャワーをかけたら体を洗い、それから浴槽に入るようにしてください。