さまざまな団体が導入している
学校連携事業という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
現在では比較的よく耳にする言葉ですが、これは言葉の通り学校と連携した事業という意味です。
さまざまな機関や団体が学校連携事業を行っていますが、ここでは東京都立精神保健福祉センターの学校連携事業についてご紹介しましょう。
学校における精神保健活動を支援するという活動を精神保健福祉センターは行っています。
多職種によるチームで学校を訪問し、継続して生徒たちの精神衛生的な問題を回避、もしくは解消するという活動です。
実際にこれまでどのような活動を行ってきたかということですが、一つには保護者や教職員を対象として精神保健に関する講演会を開催することです。
まずは生徒を見守るべき立場である保護者や教員が正しい知識を持たなくてはなりませんから、そのための講演を行っています。
また、生徒や保護者との面接相談も行い、今現在抱えている具体的な悩みなどをヒアリングするようなこともしています。
相談内容は多種多様
教員からも、学校連携事業に関する相談が寄せられることがあります。
多い相談としては、発達障害があると考えられる生徒への対応方法や、コミュニケーションを取りづらい生徒への対応などが挙げられます。
また、リストカットや自殺企図など問題行動を起こしてしまう生徒にどうやって接したら良いのか、保護者の協力が得られない場合はどのように対応したら良いのかという悩みを抱えている教員も少なくありません。
精神保健福祉センターでは発達障害や思春期の問題に詳しい精神科医の先生を外部から招いて講演や検討会なども行っており、問題解決の手助けとなるよう活動しています。
福祉と学校が連携するというのは決して悪いことではありませんし、海外では割と以前から行われていたことです。
日本は先進国の割に福祉があまり発達していませんし、学校との連携がうまく機能していないことも多々あります。
これから先日本がより先進国として発展を続けていくには福祉制度の充実はもちろん、学校のような教育機関と福祉がどのように連携をとっていくべきか、どこまで踏み込むべきかというガイドラインも作るべきではないでしょうか。
今すぐには難しいことかもしれませんが、遅かれ早かれそのような時期はやってくるでしょう。
その時になって慌ててガイドラインを作るのではなく、じっくりと検討した上で最適なガイドラインを作ってほしいものです。
教師の悩みを解決しよう
学校連携事業についてご紹介しましたがいかがだったでしょう。
悩みを抱えているのは主に生徒、と思いがちですが、実際には教育者である教員がより深刻な悩みを抱えているケースも珍しくありません。
ただでさえ今は教員の立場が弱い時代です。
モンスターペアレントの問題や、教師が手を上げないことをいいことに逆に教師に手を上げてしまう生徒もいます。
こうした問題を解決する手助けも学校連携事業ならできるのではないでしょうか。
これは福祉に携わるものだけでなく、国民全員で考えなくてはなりません。